いよいよ本格解禁!電動キックボードの公道走行はいつから?最新ルールを完全解説
2025.04.28
2025.04.28
近年、新しいパーソナルモビリティとして注目を集めている電動キックボード。
コンパクトで環境にやさしく、ラストワンマイルの移動手段として世界中で人気を集めています。
日本でも2023年7月1日に道路交通法が改正され、一定の条件を満たした電動キックボードは「特定小型原動機付自転車」として新たに区分されました。
これまで電動キックボードは原付バイクや自動車と同じ扱いで運転免許が必要でしたが、法改正により16歳以上であれば免許なしで運転できるようになりました。
これにより、電動キックボードはより多くの人にとって手軽な移動手段となりました。
通勤・通学の足として、また観光やレジャーでの活用など、その用途は大きく広がっています。
しかし、公道を安全に走行するためには守るべき条件やルールがあります。
この記事では、電動キックボードの購入を検討している方向けに、公道走行の条件や選び方のポイントを詳しく解説します。
電動キックボードが公道で走行できるようになったとはいえ、すべての電動キックボードが対象ではありません。
電動キックボードは道路交通法上の「車両」に該当し、電動式モーターの定格出力などに応じた車両区分に分類されます。
公道走行が免許不要となる「特定小型原動機付自転車」として認められるためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。
これらの条件をすべて満たす電動キックボードのみが「特定小型原動機付自転車」として認められ、16歳以上であれば免許なしで運転できるようになります。
条件を満たさない電動キックボードは、出力に応じて一般原動機付自転車や普通自動二輪車等に区分され、引き続き運転免許が必要となります。
お店で購入する際には、製品が「特定小型原動機付自転車」の基準を満たしているかを必ず確認しましょう。
多くの販売ページでは商品画像の1枚目に「公道走行可能」と表示しています。
また、各メーカーサイトにも公道走行の可否が記載されているので、あわせて確認するとよいでしょう。
「特定小型原動機付自転車」の条件を満たすだけでなく、道路運送車両の保安基準に適合するものでなければ、運行の用に供してはならないこととされています。
公道走行するためには、以下のような装備が必要です。
これらの装置がひとつでも欠けていると、保安基準をクリアしておらず、特定小型原付として扱われなくなるため、公道走行できません。
また、保安基準の対象となる装置は多くが後付けできないため、最初から条件を満たした電動キックボードを購入することが重要です。
保安基準適合性の確認として、地方運輸局による型式認定番号標または性能等確認実施機関による表示(シール)の有無が目安となります。
性能等確認済シール等が付けられているものは、この基準を満たしています。
購入時には、これらのシールや認定番号の有無を確認することをおすすめします。
特定小型原動機付自転車として電動キックボードを公道で走行するためには、いくつかの手続きとルールがあります。
ここでは、必ず行わなければならない手続きと、守るべき交通ルールについて説明します。
自賠責に入らないと、電動キックボードには乗れません。
自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)は、交通事故の被害者保護を目的とした強制保険で、すべての自動車やバイクと同様に、電動キックボードも加入が義務付けられています。
コンビニエンスストアや郵便局などで手続きができます。
2025年3月末まで、特定小型原動機付自転車には原動機付自転車の自賠責保険料が適用されますが、同年4月以降は特定小型原動機付自転車のための新しい保険料が適用される予定です。新しい保険料が原動機付自転車の保険料より安くなる場合については、保険契約者が申請をすれば、一部のケースを除き、相応の差額が返還される予定です。
特定小型原動機付自転車の所有者となった方は、市町村への軽自動車税の申告が必要です。
また、申告の際には、当該原動機付自転車の提示もしくは譲渡・販売証明書の提出を行わなければなりません。
ナンバープレートは、居住地の市区町村役場で発行してもらえます。
特定小型原動機付自転車に対しては、安全性の観点から、車体幅に収まるような、従来の原動機付自転車のものよりも小型の標識を市町村において順次交付しています。
サイズは縦、横ともに10センチメートルです。
特定小型原動機付自転車を運転するのに運転免許は必要ありませんが、16歳未満の人が特定小型原動機付自転車を運転することは禁止されています。
また、16歳未満の人に対して、特定小型原動機付自転車を貸したりすることも禁止されています。
特定小型原動機付自転車を運転する際のヘルメット着用は努力義務とされています。
法律で絶対に着用しなければならないわけではありませんが、安全のために着用することが強く推奨されています。
自転車乗用中の交通事故で亡くなられた方は、約6割が頭部に致命傷を負っています。
また、自転車乗用中の交通事故において、乗車用ヘルメットを着用していなかった方の致死率は、着用していた方に比べて、約2.1倍高くなっています。安全のためにも、ヘルメットは必ず着用するようにしましょう。
特定小型原動機付自転車はどこを走行できるのか、どのような交通ルールを守る必要があるのかを理解しておきましょう。
電動キックボードは、車道や路側帯、自転車道での走行が可能です。
基本的に歩道は通行できませんが、一部の条件を満たした場合のみ例外があります。
特例特定小型原動機付自転車とは、特定小型原動機付自転車のうち、歩道等を通行する間、最高速度表示灯を点滅させていることと、最高速度表示灯を点滅させている間は、車体の構造上、6キロメートル毎時を超える速度を出すことができないものであることなどの条件を満たすものをいいます。
特例特定小型原動機付自転車は歩道に「普通自転車等及び歩行者等専用」の標識がある場合のみ、歩行者の通行を妨げないように通行することができます。
すべての歩道を通行できるわけではないので注意が必要です。
公道走行可能な電動キックボードを選ぶ際のポイントを紹介します。
前述の条件を満たしているか、またそれを証明する「性能等確認済シール」や「型式認定番号標」が貼付されているかを必ず確認しましょう。
電動キックボードを利用したい距離を想定して、十分に走行できる性能があるのかを確認しましょう。一回の充電で走行できる距離(航続距離)が短いと、出先でバッテリー切れになる可能性があります。用途に合わせた適切な航続距離のモデルを選びましょう。
電動キックボードを頻繁に携帯する場合には、コンパクトに折りたためるモデルが便利です。電車やバスに持ち込む場合や、自宅での収納スペースが限られている場合にも適しています。また、折りたたみ機能とともに、本体重量もチェックしておくとよいでしょう。軽量なモデルであれば、持ち運びの負担が減ります。
後輪物理ブレーキに加えて、前輪ディスクブレーキを備えているモデルは制動力に優れています。安全に走行するためには、確実に止まれるブレーキ性能が重要です。また、ライトの明るさやサスペンションの有無なども、安全性を左右する要素です。
タイヤのサイズや種類によって乗り心地が大きく変わります。大きめのタイヤは安定性が高く、エアタイヤは振動吸収性に優れています。一方、ノーパンクタイヤはメンテナンスフリーというメリットがあります。用途に応じて選びましょう。
液晶ディスプレイが付いているモデルであれば、バッテリー残量や走行速度を確認できるので便利です。また、操作のしやすさや立ち乗りした際の安定感なども重要なポイントです。可能であれば店頭で試乗してみることをおすすめします。
A: 基本的に特定小型原動機付自転車は歩道を走行できません。
ただし、「特例特定小型原動機付自転車」として認められた場合は、「普通自転車等及び歩行者等専用」の標識がある歩道のみ、最高速度6km/h以下で走行できます。
その際は最高速度表示灯を点滅させる必要があります。
A: 電動キックボードは折り畳むことでコンパクトになり、専用の袋を使用すれば電車に持ち込むことができます。
ただし、鉄道会社によってルールが異なるため、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。
A: 居住地の市区町村役場で申請・取得できます。
申請の際には、電動キックボード本体の提示もしくは譲渡・販売証明書の提出が必要です。
A: 法律上は自賠責保険のみが義務付けられていますが、自賠責保険は最低限の補償しかありません。
万が一の事故に備えて、任意保険への加入も検討することをおすすめします。
A: 屋外に長時間駐輪する場合はワイヤーロックなどで施錠し、可能であれば折りたたんで室内に持ち込むことをおすすめします。
また、折り畳み式の電動キックボードであれば、使用しない時は折りたたんでコンパクトに収納できます。
電動キックボードは手軽な乗り物ですが、事故のリスクがあることを忘れないでください。
ヘルメットの着用や交通ルールの遵守など、安全に配慮した運転を心がけましょう。
最初から交通量の多い道路で運転するのは危険です。
最初は広い公園や駐車場など、安全な場所で基本操作に慣れてから公道に出るようにしましょう。
雨天時は路面が滑りやすくなり、制動距離が長くなります。
また、電動キックボードは防水性能が低いモデルもあるため、雨の日の使用は避けた方が無難です。
タイヤの空気圧、ブレーキの効き、ライトの明るさなど、定期的にチェックしておくことが安全運転につながります。
異常を感じたら、すぐに専門店で点検・修理を受けることをおすすめします。
バッテリーは適切に管理することで寿命が延びます。
長期間使用しない場合は、バッテリー残量を50%程度にしておくことが推奨されています。
また、極端な高温・低温環境での保管は避けましょう。
2023年7月の法改正により、電動キックボードはより身近なモビリティとなりました。
環境にやさしく、便利な移動手段として、これからますます普及していくことが予想されます。
電動キックボードで公道デビューするためには、「特定小型原動機付自転車」の条件を満たし、自賠責保険に加入し、ナンバープレートを取得するという手続きが必要です。
また、公道では交通ルールを守り、安全運転を心がけることが大切です。
正しい知識と適切な製品選びで、安全・快適な電動キックボードライフをスタートさせましょう。
あなたの行動範囲を広げ、新しい移動の喜びをもたらしてくれるはずです。