近年、環境に優しい移動手段として注目を集めている電動キックボード。

特に2023年7月の法改正以降、免許不要で乗れるモデルも登場し、より身近な乗り物になりました。

しかし、「電動キックボードは高くて手が出ない」とお考えの方も多いのではないでしょうか。

実は価格帯はピンキリで、コスパの良い製品も増えてきています。

この記事では、安くて高性能な電動キックボードの選び方から、おすすめモデルまで徹底解説します。

電動キックボードの価格帯とコスパを考える

電動キックボードの価格は、モデルによって大きく異なります。

市場には様々な価格帯の製品が存在し、選択肢は豊富です。価格の差はどこから来るのか、そして安さだけで選んで大丈夫なのかを考えてみましょう。

一般的に電動キックボードの価格帯は、5万円台から30万円台までと幅広く、中には3万円台の超格安モデルも存在します。

ただし、価格が安いからといって必ずしもコスパが良いとは限りません。

重要なのは、品質と機能のバランスがとれているかどうかです。

特に公道走行を考えている場合は、安全性を犠牲にした安さは危険です。

保安基準を満たした公道走行可能なモデルは、ある程度の価格帯（10万円台以上）になることが多いですが、最近では技術の進歩により、コスパの良い製品も登場しています。

安さだけでなく維持費も考慮すると、電動キックボードは実はかなりリーズナブルな乗り物です。

充電は家庭用コンセントでできるため、燃料代はガソリンバイクと比べて大幅に安く、一ヶ月の電気代は500円程度におさまります。

また、駐輪場代も不要なケースが多く、長い目で見ると経済的な選択肢となります。

安い電動キックボードの選び方：失敗しないためのポイント

安さを重視しつつも、品質や安全性を確保するためのポイントを解説します。

予算内で最大限の満足が得られる製品を選ぶために、以下の点に注目しましょう。

1. 公道走行可能かどうかを確認

まず重要なのは、公道走行可能なモデルかどうかの確認です。

特定小型原動機付自転車（特定小型原付）として認定されたモデルであれば、16歳以上なら免許不要で公道を走行できます。購入前に必ず「性能等確認済シール」や「型式認定番号標」が付いているかを確認しましょう。

安い製品の中には、これらの基準を満たしていないものも多いため注意が必要です。

過去には「公道走行可能」と謳われていたにも関わらず、実際には保安基準を満たしていなかったケースもあります。

公道を走るつもりなら、この点は絶対に妥協してはいけません。

2. メーカーの信頼性をチェック

安い電動キックボードを選ぶ際は、メーカーの信頼性も重要なポイントです。

知名度の高いメーカーの製品は、品質管理がしっかりしていることが多く、アフターサポートも充実している傾向があります。

特に日本国内で正規販売されている製品を選ぶと、故障時の対応や部品の調達がスムーズになります。

また、海外メーカーの場合でも、日本国内に正規代理店があるものを選ぶと安心です。

3. バッテリー性能と航続距離をチェック

電動キックボードの実用性を左右する重要な要素が、バッテリー性能と航続距離です。

こまめな充電が億劫な場合は、1回の充電で30km以上走行できるモデルを選ぶと便利です。

安いモデルの中には、バッテリー容量が小さく、すぐに充電が必要になるものもあるため要注意です。

また、バッテリーの充電時間や耐久性も確認しておきましょう。充電時間が短く、バッテリー寿命が長いモデルは、長期的に見るとコスパが良くなります。

4. 重量とサイズを確認

電動キックボードは持ち運びの機会も多いため、重量は重要な選択基準です。

持ち運びやすさを重視するなら、重量は15kg未満のものを選ぶことがおすすめされています。

特に充電場所までに段差がある場合や、階段の上り下りをする必要がある人は、できるだけ軽いモデルを選びましょう。

折りたたみ機能の有無と折りたたんだ時のサイズも確認しておくと良いでしょう。

コンパクトに折りたためるモデルは、収納や電車への持ち込みにも便利です。

5. モーター出力と坂道性能

安いモデルを選ぶ際にも、モーター出力は妥協したくないポイントです。

坂道も楽に走行できるよう、400W以上のパワーを出せる電動キックボードを選ぶことが推奨されています。

出力が小さいと、坂道で苦労したり、重い荷物を持っての走行が困難になったりします。

特に住んでいる地域に坂が多い場合は、モーター出力を重視して選びましょう。

安さを重視するあまり、この点を妥協すると、使い勝手に大きく影響します。

2025年最新！安くておすすめの電動キックボード

実際に安くて性能の良い電動キックボードを紹介します。

それぞれの特徴と価格帯を理解し、自分に合った一台を見つけましょう。

10万円以下の特定小型原付モデル

特定小型原付（免許不要）の電動キックボードの中でも、特に価格が抑えられているモデルをいくつか紹介します。

RICHBIT ES1 Pro 

価格帯：8万円前後 特徴：日本の免許不要規格に対応した特定小型原付の電動キックボードです。

約13.8kgと業界最軽量クラスの重量で、持ち運びに便利です。

パンクしにくいノーパンクタイヤを採用し、メンテナンス性にも優れています。

価格が10万円を切るため、電動キックボード入門としてもおすすめです。

YADEA YDX3-JP 

価格帯：9万円台 特徴：できるだけ出費を抑えて性能が良いものがほしいという人におすすめのモデルです。

上位商品より5万円近くコストを抑えられ、走行のしやすさ以外はほとんど上位商品と変わらない性能を持っています。

特例特定小型原付自転車として認定されており、歩行走行モードを使えば歩道も走行可能です。

10万円台のコスパモデル

少し予算を上げると、より性能や耐久性に優れたモデルを選べます。

長谷川工業 KS6 PRO 

価格帯：12万円台 特徴：免許不要で乗れる特例特定小型原付自転車で、坂を上りやすいのが特徴です。

検証では傾斜20%の坂を上る際のパワーは475Wを記録し、一般的なシェアリングサービスの電動キックボードよりパワフルなパフォーマンスを発揮します。

エアタイヤを採用しているため、凸凹道や小さな段差もスムーズに走行できる点も魅力です。

LAKU（ラク） 

価格帯：15万円台 特徴：保安部品標準装備の特定小型原付モデルです。

500Wの定格出力で坂道もスムーズに走行でき、最大120kgまでの耐荷重を誇ります。

セール時には大幅な値引きが行われることもあり、タイミングによってはかなりお得に購入できる可能性があります。

通勤・通学に最適な実用的コスパモデル

毎日の通勤・通学に使うなら、少し予算をかけても実用性の高いモデルがおすすめです。

AINOHOT SAGA 

pro 価格帯：16万円台 特徴：業界トップ技術の「一体成型フレーム」を採用し、耐久性に優れた電動キックボードです。

500Wの強力モーターで坂を上る力も備わっており、最大15度の登板能力を持ちます。

パンクに強いチューブレスタイヤを採用しているため、メンテナンス性にも優れています。

一充電で45-50kmの走行が可能で、毎日の通勤にも十分な航続距離を確保しています。

Free Mile plus 

価格帯：16～17万円台 特徴：公道走行可能な電動キックボード専門店のモデルです。

同じ区分の電動スクーター（30万円台）と比べると半額程度で購入できるコスパの良さが魅力です。

1回のフル充電で最大40km走行できるため、毎日の通勤にも十分な航続距離を持っています。

また、電気代も月500円程度と維持費の安さも魅力です。

安い電動キックボードのメリットとデメリット

安い電動キックボードを選ぶ際は、そのメリットとデメリットをしっかり理解することが重要です。

価格だけでなく、総合的な視点から検討しましょう。

メリット

1. 初期投資が少なく済む：購入時の負担が小さいため、気軽に始められます。
2. 維持費が安い：電気代は月に500円程度、駐輪場代も不要なケースが多いため、長期的に見てもコスト効率が良いです。
3. お試し感覚で利用できる：高額投資せずに電動キックボードの利便性を体験できます。
4. 買い替えのハードルが低い：将来的により高性能なモデルへの買い替えを検討する際も、初期投資が少ないほうが心理的ハードルが低くなります。

デメリット

1. 耐久性に不安がある場合も：安いモデルの中には、部品の品質が劣るものもあり、長期使用時の耐久性に課題が生じる可能性があります。
2. アフターサポートが限られる：格安メーカーの場合、修理やパーツ交換などのアフターサポートが充実していないことがあります。
3. バッテリー性能が劣る可能性：安いモデルはバッテリー容量が小さかったり、劣化が早かったりする場合があります。
4. 保安基準を満たしていない可能性：価格を抑えるために保安基準を満たしていない場合があり、公道走行ができないリスクがあります。

これらのメリットとデメリットを踏まえた上で、自分の使用目的や予算に合った電動キックボードを選びましょう。

安い電動キックボードで失敗しないための注意点

最後に、安い電動キックボードを購入する際の注意点をまとめます。

失敗しないための重要なポイントを押さえておきましょう。

1. 保安基準の確認を怠らない

何度も強調していますが、公道走行を考えている場合は、必ず保安基準を満たしているかを確認しましょう。

「性能等確認済シール」や「型式認定番号標」が付いているかどうかで判断できます。

保安基準を満たしていない電動キックボードで公道を走行すると、交通違反となる可能性があります。

2. 試乗できるショップを利用する

可能であれば、購入前に試乗できるショップを利用することをおすすめします。

実際に乗ってみると、カタログスペックだけではわからない乗り心地や操作性を確認できます。

バイク販売店などでは、公道走行可能な電動キックボードを取り扱っていることが多く、専門的なアドバイスも受けられます。

3. 口コミやレビューを参考にする

購入を検討している電動キックボードの口コミやレビューを調べることも重要です。

特に、長期使用後のレビューは、耐久性や実際の使い勝手について参考になります。

同じような用途で使っている人の意見は特に参考になるでしょう。

4. 保証期間や修理対応を確認

安いモデルを選ぶ際は、保証期間や故障時の修理対応についても確認しておくことが重要です。

保証期間が長く、修理対応が充実しているメーカーの製品を選ぶと、長期的に見て安心して使用できます。

5. 必要最低限の機能を見極める

予算内で最大限の満足度を得るためには、自分にとって本当に必要な機能を見極めることが重要です。

例えば、長距離移動をしない場合は航続距離よりも軽量性を重視するなど、優先順位をつけることで、必要な機能を備えたコスパの良いモデルを選べます。

あなたに合った安い電動キックボードを見つけよう

電動キックボードは決して高価な乗り物だけではありません。

適切な選び方をすれば、10万円前後でも品質の良いモデルを見つけることができます。

特に2023年の法改正以降、特定小型原付として認定された免許不要モデルも増えており、選択肢は広がっています。

安さだけでなく、安全性や実用性、アフターサポートなども考慮した総合的な視点から、自分に合ったモデルを選びましょう。

また、電動キックボードは初期投資だけでなく、維持費も含めた長期的なコストパフォーマンスで考えることが大切です。

この記事で紹介した選び方のポイントやおすすめモデルを参考に、あなたのライフスタイルに合った最適な一台を見つけてください。

電動キックボードがあれば、毎日の移動がより便利で楽しいものになるでしょう。