街中で見かける機会が増えてきた電動キックボード。

環境にやさしく、手軽に移動できる新しいモビリティとして注目を集めています。

2023年7月の法改正で利用のハードルが下がり、より身近な乗り物になりました。

この記事では、電動キックボードの魅力、選び方、法規制などを詳しく解説します。

電動キックボードとは？新時代のパーソナルモビリティ

電動キックボードは、キックボードにバッテリーと電動モーターを搭載した乗り物です。

徒歩や自転車よりも行動範囲が広がり、自動車よりも環境負荷が少ないという特徴があります。

電動キックボードとは、キックボードに電動式のモーターが取り付けられた乗り物で、徒歩や自転車よりも行動範囲が広がり、手軽に乗れるパーソナルモビリティとして注目を集めています。

通勤・通学、買い物、観光など様々なシーンで活躍します。

特に都市部での移動に最適で、渋滞の心配がなく、駐車場を探す必要もありません。

折りたたみ可能なモデルが多いため、電車やバスと組み合わせた利用も可能です。

電動キックボードのメリット

1. 環境にやさしい: 電気で動くため、排気ガスを出しません
2. 経済的: ガソリン代がかからず、充電コストは非常に安価です
3. 省スペース: 折りたたみ可能なモデルが多く、保管が簡単です
4. 手軽な移動: 渋滞を回避でき、短距離移動に最適です
5. 維持費が安い: メンテナンスが容易で、部品交換も安価です

2023年7月の法改正で何が変わった？

2023年7月1日から、電動キックボードなどに関する改正道路交通法が施行されました。

これまで電動キックボードは原付バイクや自動車と同じ扱いで運転免許が必要でしたが、一定の基準を満たす電動キックボードは「特定小型原動機付自転車」と定義され、16歳以上であれば運転免許がなくても運転できるようになりました。

主な変更点

• 運転免許不要: 16歳以上なら免許なしで乗車可能に
• ヘルメット任意: 着用が義務から努力義務に変更
• 走行可能場所の拡大: 条件付きで歩道も走行可能に
• 速度制限: 最高速度20km/h以下（歩道走行時は6km/h以下）

特定小型原付とは？法改正の詳細を解説

特定小型原付とは、原付のうち、電動機の定格出力が0.6kw以下、長さ1.9m、幅0.6m以下かつ最高速度20km/h以下のもので、特定小型原付に必要な保安部品が装着されているものを指します。

この新区分によって、電動キックボードの利用ハードルが大幅に下がりました。

ただし、すべての電動キックボードが特定小型原付になるわけではなく、条件を満たすものだけが該当します。

「特定小型原付」の条件

「特定小型原付」の条件は、車体の大きさが長さ190センチメートル以下、幅60センチメートル以下であること、原動機として定格出力が0.60キロワット以下の電動機を用いること、時速20キロメートルを超える速度を出せないこと、走行中に最高速度の設定を変更できないこと、オートマチック・トランスミッション機構がとられていること、最高速度表示灯が備えられていることです。

条件を満たしていない電動キックボードは、従来通り原付バイクとして扱われ、運転免許が必要になります。購入前には必ず確認しましょう。

特定小型原付の電動キックボードに乗るための条件

特定小型原付の電動キックボードに乗るためには、以下の条件を満たす必要があります。

1. 年齢制限: 16歳以上であること
2. ナンバープレート: 市区町村で取得し装着すること
3. 自賠責保険: 加入必須（コンビニなどで加入可能）
4. 最高速度表示灯: 車道走行時は常時点灯、歩道走行時は点滅

特定小型原付の電動キックボードを購入しても、すぐに公道走行できるわけではありません。

公道走行する前に、ナンバープレートの取得・装着と自賠責保険の加入が必要です。

安全に乗るための交通ルール

2023年7月1日に道路交通法（以下、道交法と表記）が改正されたことで、電動キックボードでより気軽に走行を楽しめるようになりました。

しかし、気軽に乗れるようになった分、交通ルールをしっかり守ることが重要です。

走行場所について

• 基本は車道: 左側通行を守る
• 自転車道: 自転車道がある場合は利用可能
• 路側帯: 歩行者の妨げにならなければ通行可能
• 歩道: 「特例特定小型原付」の場合のみ、自転車が通行できる歩道で時速6km以下なら通行可能

違反したらどうなる？

特定小型原付の場合、免許がないため点数減点はありませんが、違反内容に応じて罰金や違反者講習を受ける必要があります。

一時停止無視・走行中の携帯電話操作などの違反だと、5,000〜6,000円程度の罰金が課せられます。

悪質な違反を繰り返していると、違反者講習を受けることになり、3時間の講習を受けて6,000円の手数料を払わなければいけません。

電動キックボードの選び方

電動キックボードを選ぶ際には、以下のポイントをチェックしましょう。

1. 保安基準を満たしているか

電動キックボードは、ヘッドライトやブレーキランプなどの国土交通省が求める保安基準を満たした装置を備えた車両でなければ、道路での走行が許されていません。

この基準を満たした製品には、「性能等確認済シール」や「型式認定番号標」が付けられています。

購入する際には、必ずこれらのシールがあるものを選びましょう。

2. モーターの出力とバッテリー性能

坂道も楽に走行できる、400W以上のパワーを出せる電動キックボードを選びましょう。

こまめな充電が億劫なら、1回の充電で30km以上走行できるものを選ぶといいでしょう。

都市部での使用が主な場合は、航続距離よりも持ち運びやすさを優先したほうがよいかもしれません。

3. タイヤの大きさと種類

乗り心地のよさで選ぶなら、10インチ以上のエアタイヤ採用の商品がおすすめです。

タイヤが大きいほど安定して走行でき、振動も吸収してくれます。エアタイヤはクッション性が高く快適ですが、パンクの可能性があります。

一方、ソリッドタイヤはパンクの心配がなく、メンテナンスが容易です。

4. 重量と持ち運びやすさ

コンセントまで運ぶ途中に段差がある場合は、15kg未満を目安に選びましょう。

また、折りたたみ機構の使いやすさもチェックしておくと便利です。

人気の電動キックボードモデル

現在日本で人気の電動キックボードをいくつか紹介します。それぞれの特徴を確認して、自分に合ったモデルを選びましょう。

長谷川工業 KS6 PRO

長谷川工業の「特定小型原付 電動キックボード KS6 PRO」は、特例特定小型原付自転車なので免許不要で乗れるうえ、歩道走行モードを使用すれば一部の歩道も走行可能です。

坂を上りやすいのが特徴で、エアタイヤであるため衝撃を吸収しやすく、凸凹道や小さな段差もスムーズに走れます。

YADEA YDX3-JP

YADEAの「特定小型原付 電動キックボード YDX3-JP」は、できるだけ出費を抑えて性能が良いものがほしいという人におすすめです。

上位商品より5万円近くコストを抑えられるうえ、走行のしやすさ以外はほとんど上位商品と変わりません。

特例特定小型原付自転車なので、歩行走行モードを使えば歩道を走行できる点も魅力です。

E-KON City

E-KON「E-KON City」のスタート時は、低速から中速にかけて力強く加速し、時速10キロを超えたあたりから穏やかになります。

とはいえ急発進感はなく、グイッと安定して加速していき、傾斜の激しい上り坂でも10キロ程度まで出ます。

RICHBIT ES1 PRO

国内シェア上位のモデルで、特定小型原付規格に対応しており、安定した走行が可能です。

コストパフォーマンスに優れており、初めての電動キックボードとしておすすめです。

電動キックボードの安全性を高めるために

電動キックボードを安全に利用するためには、以下の点に注意しましょう。

ヘルメットの着用

自転車乗用中の交通事故で亡くなられた方は、約６割が頭部に致命傷を負っています。

また、自転車乗用中の交通事故において、乗車用ヘルメットを着用していなかった方の致死率は、着用していた方に比べて、約２.１倍高くなっています。

交通事故の被害を軽減するためには、頭部を守ることがとても重要です。

特定小型原付ではヘルメット着用は義務ではなく努力義務になりましたが、安全のためにはヘルメットを着用しましょう。

適切な装備

• 目を保護するサングラス: 風やゴミから目を守ります
• 手袋: 転倒時に手を保護します
• 反射材付きウェア: 夜間の視認性を高めます
• 動きやすい服装: 操作の妨げにならない服装を心がけましょう

電動キックボードが変える未来の移動

電動キックボードは環境にやさしく、手軽に使えるパーソナルモビリティとして、ますます普及が進んでいくことが予想されます。

法改正によって利用のハードルが下がり、より多くの人が電動キックボードを利用できるようになりました。

ただし、公道を走るためには正しい知識と適切な装備が必要です。

この記事で紹介した条件やルールをしっかり守って、安全に楽しく電動キックボードを利用しましょう。

電動キックボードは単なる移動手段ではなく、ライフスタイルを変えるアイテムです。

環境に配慮しながら、快適で効率的な移動を実現するために、ぜひ電動キックボードの世界を体験してみてください。