街中で見かける機会が増えてきた電動キックボード。
2023年7月の法改正で特定条件を満たしたものは免許不要になり、新たな移動手段として人気が高まっています。
「購入しようか、レンタルを活用しようか」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、電動キックボードのレンタル料金と購入コストを徹底比較し、あなたのライフスタイルに合った選択をサポートします。
レンタルと購入、どっちがお得?利用頻度で変わる損益分岐点
電動キックボードを利用する方法には、大きく分けて「レンタル・シェアリングサービスを利用する」か「自分で購入する」の2通りがあります。
どちらが経済的に有利かは、利用頻度や利用目的によって大きく異なります。
レンタルサービスの最大のメリットは初期投資が少なく済み、必要なときだけ利用できる手軽さです。
一方、購入は初期費用は高いものの、頻繁に利用する場合は長期的にはコストパフォーマンスが高くなります。
例えば、日常的に通勤や通学で使用する場合は購入が、観光地での一時的な利用やお試しで乗ってみたい場合はレンタルが適しています。
具体的な費用を比較して、あなたの状況に最適な選択肢を見つけてみましょう。
電動キックボードレンタル・シェアリングの料金相場
電動キックボードのレンタルサービスは、都市部を中心に急速に普及しています。
代表的なサービスの料金体系と特徴を紹介します。
主要サービスの料金比較
- LUUP(ループ)
- 基本料金:50円(税込)
- 時間料金:15円/分(税込)
- 利用例:15分利用の場合 → 50円+15円×15分=275円
- 特徴:東京、大阪、京都、横浜など大都市を中心に展開。アプリから簡単に予約・利用可能
- mobby(モビー)
- 初乗り30分:150円
- 以降:時間に応じて加算
- 特徴:福岡市中央区を中心に展開。相場より安い価格設定が魅力
- Bird(バード)
- 基本料金:エリアにより異なるが、30分300円前後
- 以降:1分ごとに10円程度加算
- 特徴:世界300エリアで展開する大手。東京都立川市や八王子市など多摩地域を中心に展開
- Rimo沖縄
- 1日レンタル:4,378円程度
- 特徴:観光向けの長時間レンタルが可能。レンタカーに積載可能
料金体系の傾向
電動キックボードのレンタル料金は、利用時間によって大きく異なります。
短時間利用の場合は、基本的に以下のような料金体系が一般的です:
- 基本料金:50〜300円
- 時間料金:10〜20円/分
国内での電動キックボードの料金相場は、1時間あたり1,000円弱が主流です。
観光地などでは1日単位でのレンタルも提供されており、その場合は4,000円前後が相場となっています。
電動キックボード購入の費用内訳
電動キックボードを購入する場合、単に本体価格だけでなく、いくつかの追加費用が必要になります。
ここでは、購入時の初期費用と継続的にかかる維持費について説明します。
購入時の初期費用
- 本体価格
- 一般的な価格帯:4〜15万円
- 安い電動キックボードは4万円程度から、高性能なモデルは20万円以上するものも
- 特定小型原付の条件を満たす免許不要モデルは、やや高めの価格設定のものが多い
- 自賠責保険
- 1年契約:7,070円程度
- 5年契約:13,310円程度(1年あたり2,662円と割安)
- 公道走行には必ず加入が必要
- ナンバープレート取得
- 費用:無料
- 取得場所:お住まいの市区町村役場
- 必要書類:標識交付申請書、車体の写真、車体確認書、本人確認書類など
- 任意保険(オプション)
- 年間1万円前後〜
- 既に自動車保険に加入している場合は、ファミリーバイク特約を付加するのも選択肢
維持費・ランニングコスト
- 電気代(充電費用)
- 1回の充電:約20〜30円
- 月間コスト例(週5日通勤):500円程度
- ガソリンバイクの燃料費(同条件):800円程度
- メンテナンス費
- タイヤ交換:1〜2万円(年に1回程度)
- バッテリー交換:2〜5万円(2〜3年に1回程度)
- その他消耗品:ブレーキパッドなど年間数千円程度
- 保管場所費用
- 自宅保管の場合:無料(玄関などのスペースで十分)
- 駐輪場利用の場合:月額2,000〜5,000円
レンタルvs購入:ケース別シミュレーション
あなたの利用スタイルに合わせた、レンタルと購入のコスト比較シミュレーションを見てみましょう。
ケース1:週末の趣味利用(月8回・1回30分)
レンタル(LUUPの場合)
- 基本料金:50円×8回=400円
- 時間料金:15円×30分×8回=3,600円
- 月間コスト:4,000円
- 年間コスト:48,000円
購入(10万円モデルの場合)
- 初期費用:本体10万円+自賠責保険7,070円=107,070円
- 月間維持費:電気代100円+メンテナンス積立1,000円=1,100円
- 年間コスト:初年度120,270円、2年目以降13,200円
- 損益分岐点:約2年2ヶ月
ケース2:毎日の通勤利用(月20回・1回40分)
レンタル(LUUPの場合)
- 基本料金:50円×20回=1,000円
- 時間料金:15円×40分×20回=12,000円
- 月間コスト:13,000円
- 年間コスト:156,000円
購入(10万円モデルの場合)
- 初期費用:本体10万円+自賠責保険7,070円=107,070円
- 月間維持費:電気代500円+メンテナンス積立1,500円=2,000円
- 年間コスト:初年度131,070円、2年目以降24,000円
- 損益分岐点:約8ヶ月
ケース3:観光地での一時利用(年に2回・1回4時間)
レンタル(観光地レンタルの場合)
- 1日レンタル:4,000円×2回=8,000円
- 年間コスト:8,000円
購入(10万円モデルの場合)
- 初期費用:107,070円
- 年間維持費:2,000円
- 年間コスト:初年度109,070円、2年目以降2,000円
- 損益分岐点:約13年(現実的には購入は非推奨)
電動キックボードの選び方:レンタルと購入それぞれのポイント
電動キックボードをレンタルする場合と購入する場合、それぞれ重視すべきポイントが異なります。
ここでは、両者のチェックポイントを紹介します。
レンタルサービス選びのポイント
- 対応エリア
- 利用したい地域でサービスが展開されているか
- ポートの設置密度は十分か
- 目的地の近くでも借りられる・返せるか
- 料金体系
- 基本料金と時間料金のバランス
- 長時間利用の場合の上限設定の有無
- 定額プランなどの割引オプションの有無
- 利用条件
- 年齢制限(多くのサービスは16歳以上)
- 免許の要否(特例の適用による違い)
- ヘルメット着用の要否
- アプリの使いやすさ
- 予約・決済のスムーズさ
- 空き状況の確認のしやすさ
- トラブル時のサポート体制
購入時の選び方のポイント
- 法規制への適合
- 特定小型原付(免許不要)の基準を満たしているか
- 保安基準を満たした公道走行可能モデルか
- 型式認定番号標や性能等確認済シールの有無
- 性能・スペック
- 最高速度(法定20km/h以下)
- 航続距離(バッテリー性能)
- 登坂能力(坂道の多い地域では重要)
- 安全性
- ブレーキ性能(前後独立したブレーキが理想的)
- タイヤサイズ(大きいほど安定性が高い)
- 灯火類の視認性
- 利便性
- 重量(持ち運びやすさ)
- 折りたたみ機能の有無
- バッテリー充電時間
まとめ:あなたに最適な選択は?
電動キックボードのレンタルと購入、どちらが良いかは一概に言えません。
それぞれの特性を理解した上で、あなたのライフスタイルに合った選択をしましょう。
レンタルが向いている人
- 試しに乗ってみたい初心者
- 観光や一時的な利用が主な人
- 保管スペースが限られている人
- メンテナンスの手間を避けたい人
購入が向いている人
- 毎日の通勤・通学など頻繁に利用する人
- 決まったルートを定期的に移動する人
- 長期的なコスト削減を重視する人
- 自分好みのカスタマイズを楽しみたい人
電動キックボードはまだ発展途上のモビリティです。
法規制の変更や技術進化によって、今後も大きく変わる可能性があります。
まずはレンタルで体験してみて、自分のライフスタイルに合うと感じたら購入を検討するというステップを踏むのも賢明な選択と言えるでしょう。
電動キックボードの世界に足を踏み入れて、新しいモビリティライフを楽しんでみませんか?