いよいよ本格解禁!電動キックボードの公道走行はいつから?最新ルールを完全解説
2025.04.28
2025.04.28
風を切って走る爽快感、目的地へ素早く到着する利便性、そして「速さ」がもたらす移動の自由。電動キックボードの魅力の一つは、その速度にあります。
しかし、「どのくらい速いの?」「法律上の制限は?」「速すぎて危なくないの?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、電動キックボードの速さに焦点を当て、法規制から実用性、選び方まで徹底解説します。
購入を検討している方に向けて、速さの魅力と注意点をバランスよくお伝えします。
電動キックボードの速さは、モデルによって大きく異なります。
一般的な電動キックボードの最高速度は15km/h〜25km/h程度ですが、高性能モデルになると40km/h以上の速度を出せるものもあります。
この速度域は、自転車の平均的な走行速度(15〜20km/h)と同等か、それ以上です。
つまり、電動キックボードは「歩行」と「自転車」の中間というイメージではなく、れっきとした「乗り物」として十分な速度性能を持っているのです。
しかし、カタログ上の最高速度と実際の体感速度は異なる点に注意が必要です。
例えば、同じ20km/hでも、立ち乗りのため風を直接感じる電動キックボードは、座って乗る自転車より速く感じることがあります。
実際に試乗された方の多くは「思ったより速く感じた」という感想を持つことが多いようです。
また、電動キックボードの加速性能も注目すべきポイントです。
多くのモデルは電気モーターの特性により、発進時から最大トルクを発揮するため、発進からスムーズに加速します。
特に信号待ちからの発進や坂道の走行では、この加速性能が実用性を大きく左右します。
例えば、中級モデル以上では0km/hから15km/hまで約3〜4秒で加速するものが多く、この俊敏さが移動時間の短縮に貢献します。
速度の感じ方は体重によっても変わります。
一般的に、乗り手が軽いほど加速が良く最高速度も出やすくなります。
逆に体重が重いと、同じモデルでも最高速度が出にくかったり、坂道での速度維持が難しくなったりする場合があります。
このため、体重80kg以上の方は、より高出力のモーターを搭載したモデルを選ぶと良いでしょう。
特に初心者の方は、最高速度よりも速度調整のしやすさに注目することをお勧めします。
多くのモデルには複数の速度モード(エコモード、標準モード、スポーツモードなど)が用意されており、自分の慣れや状況に応じて速度を制限できる機能が付いています。
初めは低速モードから始めて、徐々に速度に慣れていくというステップアップが安全です。
電動キックボードの速度について理解するためには、法律上の規制を把握することが不可欠です。
特に日本では2023年7月に道路交通法が改正され、電動キックボードに関する新しいルールが施行されました。
この改正により、電動キックボードの位置づけと速度制限についても大きな変更がありました。
改正前は、電動キックボードは原動機付自転車(原付)として分類され、運転には原付免許以上が必要でした。また、法定速度は30km/h以下と定められていました。
しかし、改正後は「特定小型原動機付自転車」という新しい区分が設けられ、一定の条件を満たす電動キックボードについては、16歳以上であれば免許不要で乗れるようになりました。
この「特定小型原動機付自転車」として認められるための条件は以下の通りです:
これにより、市場に出回る多くの電動キックボードは、最高速度を20km/h以下に設定する傾向が強まっています。
ただし、高性能モデルの中には、私有地や特定の場所での使用を前提に、20km/hを超える速度が出せるモデルも販売されています。
実際の走行においては、道路や場所によって適切な速度が異なります。
車道では法定速度(特定小型原動機付自転車の場合は20km/h以下)を守る必要がありますが、人通りの多い場所や混雑した道路では、さらに速度を落として周囲に配慮した走行が求められます。
海外の法規制と比較すると、日本の20km/h制限は比較的厳しい側にあります。例えば、ドイツでは25km/h、フランスでは25km/h、アメリカの多くの州では20〜25km/hといった制限が設けられています。国際的に見ても、安全性を考慮すると20〜25km/h程度が適切な速度制限とされているようです。
法律に準拠したモデル選びのポイントとしては、「特定小型原動機付自転車」として認定されている製品を選ぶことが重要です。
メーカーや販売店のウェブサイトでは、この条件を満たしているかどうかが明記されていることが多いので、購入前に必ず確認しましょう。
また、購入後にソフトウェアアップデートなどで速度制限を解除できる機能がある製品もありますが、公道では法定速度を超える走行は避けるべきです。
電動キックボードの速度を考える上で最も重要なのは、速さと安全性のバランスです。
最高速度が高ければ良いというわけではなく、状況に応じた適切な速度での走行が求められます。
では、実際にどのくらいの速度が適切なのでしょうか?
一般的に、初心者にとっての適切な最高速度は15km/h程度と言われています。
この速度なら、急ブレーキをかけても比較的安全に停止することができ、万が一転倒しても怪我のリスクを最小限に抑えられます。
慣れてきたら15〜20km/hが実用的な速度域で、この範囲内であれば十分な走行効率と安全性のバランスが取れています。
状況別の適切な速度としては、以下が一つの目安となります:
安全に乗るためのポイントとしては、まず「防護具の着用」が挙げられます。
特にヘルメットは必須で、速度が上がるほど重要性が増します。次に「視界の確保」も重要です。
前方だけでなく、周囲360度の状況を常に意識した走行が必要です。
また「路面状況の確認」も欠かせません。特に雨天時や未舗装路では、乾燥した舗装路より大幅に速度を落とす必要があります。
速度と制動距離の関係も理解しておくべき重要なポイントです。電動キックボードの制動距離は概ね以下のようになります(乾燥した舗装路の場合):
これを踏まえると、前方の障害物や歩行者との安全距離を常に保つことが重要で、自分の走行速度に応じた「反応余裕」を持つことが安全走行の鍵となります。
特に注意が必要なのは、下り坂での速度コントロールです。多くの電動キックボードには、回生ブレーキシステム(モーターを使った電気的なブレーキ)が搭載されていますが、急な下り坂では物理的なブレーキ(ディスクブレーキやドラムブレーキ)と併用することで、より安全に減速できます。
最後に、安全な速度感覚を身につけるには、実際の「練習」が欠かせません。
初めは広い空き地や公園などの安全な場所で低速から始め、徐々に速度や環境に慣れていくことをお勧めします。
特に、発進、停止、カーブ、障害物回避などの基本操作を速度別に練習することで、安全に乗れる速度域が広がっていきます。
電動キックボードの速さは、単にモーターパワーだけで決まるわけではありません。
複数の要素が相互に影響し合い、実際の走行速度や加速性能を形作っています。
ここでは、速さに影響する主な要素を解説します。
まず基本となるのは「モーターの出力」です。
電動キックボードのモーター出力は、一般的に250W〜500Wのものが多いですが、高性能モデルでは1000W以上の出力を持つものもあります。
出力が大きいほど、最高速度が高くなるだけでなく、坂道での速度維持能力や加速性能も向上します。
例えば、350W以上のモーターを搭載したモデルなら、10度程度の坂道でもある程度の速度を維持できるでしょう。
次に重要なのが「バッテリー性能」です。モーターが発揮できる最大出力は、バッテリーの電圧と容量に依存します。
一般的に、36V〜48Vのバッテリーが使用されていますが、電圧が高いほど理論上の最高速度も高くなります。
また、バッテリー残量も実際の速度に影響し、残量が少なくなると最高速度も低下する傾向があります。
「車体重量」も重要な要素です。軽量モデル(10〜15kg)は加速が良く俊敏な走りが特徴ですが、最高速度での安定性は劣ることがあります。
一方、重量級モデル(18〜25kg)は加速はやや鈍いものの、高速域での安定性に優れる傾向があります。
自分の使用スタイル(短距離の俊敏な移動か、長距離の安定した走行か)に合わせた選択が重要です。
「タイヤサイズと種類」も走行速度に大きく影響します。
一般的に、大径タイヤ(10インチ以上)は小径タイヤ(8インチ以下)より安定性に優れ、高速走行に適しています。
また、エアタイヤはソリッドタイヤより路面からの衝撃を吸収するため、より高速での快適な走行が可能です。
ただし、パンクのリスクとメンテナンス性のトレードオフがあることを理解しておく必要があります。
「コントローラー」と呼ばれる電子制御システムも重要な要素です。これは、アクセル操作に対するモーターの反応性や、最高速度の制限などを制御しています。
高品質なコントローラーを搭載したモデルは、スムーズな加速と安定した速度維持が可能で、より安全かつ快適な走行体験を提供します。
「走行モード」も速度に直結します。
多くのモデルでは、エコモード(低速)、スタンダードモード(中速)、スポーツモード(高速)など、複数の走行モードが用意されています。
初心者はまずエコモードから始め、慣れに応じて徐々に速いモードに移行するとよいでしょう。
最後に「乗り手の体重」も実際の速度に大きく影響します。
多くの電動キックボードの仕様書には「最大積載重量」が記載されていますが(通常75〜120kg程度)、特に最高速度と坂道性能は乗り手の体重によって変化します。
体重が重い方(80kg以上)は、よりパワフルなモデルを選ぶことで、想定通りの性能を得られる可能性が高まります。
これらの要素を総合的に考慮することで、自分の使用環境やニーズに最適な電動キックボードを選ぶことができます。
例えば、坂道の多い地域に住んでいる方は高出力モーター(500W以上)を、舗装状態の悪い道を頻繁に走行する方は大径のエアタイヤモデルを、といった具合に優先すべき性能が明確になります。
電動キックボードの速さは、使用目的によって求められる性能が異なります。
ここでは、用途別に最適な速度性能を持つモデルをご紹介します。
あなたの使い方に合ったモデル選びの参考にしてください。
通勤や通学で毎日使用するなら、安定した速度性能と信頼性の高さが重要です。最高速度よりも、安定した巡航性能と快適性を重視したモデルがおすすめです。
Segway Ninebot MAX G30LE II 最高速度:約20km/h(法定内) 特徴:優れた安定性と約40kmの航続距離を持ち、10インチの大径エアタイヤで舗装の粗い道路でも快適に走行できます。通勤のラストワンマイルに最適なモデルです。
Xiaomi Mi Electric Scooter 3 最高速度:約20km/h(法定内) 特徴:約30kmの航続距離と軽量なボディ(約13kg)で、電車との併用にも便利です。加速性能も良好で、信号の多い都市部での使用に適しています。
NIU KQi3 Pro 最高速度:約20km/h(法定内) 特徴:安定性に優れた走行性能と強力な制動力を持ち、通勤時の安全性を重視する方におすすめです。また、アプリ連携によるカスタマイズ性の高さも魅力です。
週末のレジャーや趣味として楽しむなら、より爽快な走行体験を提供するモデルがおすすめです。ただし、公道での使用時は法定速度を遵守することが前提です。
INOKIM Quick 4 最高速度:約25km/h(私有地向け) 特徴:優れた走行安定性と調整可能なサスペンションにより、高速域でも安定した乗り心地を提供します。バッテリー容量も大きく、長距離ツーリングに適しています。
Dualtron Mini 最高速度:約25km/h(私有地向け) 特徴:900Wの強力なモーターを搭載し、坂道でも力強い走りを実現。サスペンションとエアタイヤの組み合わせで、様々な路面状況に対応できます。
ZERO 9 最高速度:約25km/h(私有地向け) 特徴:前後サスペンションと大径タイヤにより、高速走行時の安定性が高く、長時間乗っても疲れにくい設計です。折りたたみコンパクトで持ち運びも比較的容易です。
電動キックボード初心者の方には、最高速度よりも操作性の良さと安全性を重視したモデルがおすすめです。
Segway Ninebot E22 最高速度:約20km/h(法定内) 特徴:安定した走行性能と直感的な操作性で、初心者でも安心して乗れます。複数の速度モードを備え、徐々にスキルアップできる設計になっています。
Xiaomi Mi Electric Scooter Essential 最高速度:約20km/h(法定内) 特徴:軽量コンパクトで扱いやすく、初心者にも安心の速度設定。価格も比較的リーズナブルで、電動キックボード入門に最適です。
Levy Electric Scooter 最高速度:約20km/h(法定内) 特徴:シンプルな操作系と安定した走行性能を持ち、初心者でも扱いやすいモデルです。着脱可能なバッテリーを採用しており、長時間の使用も可能です。
モデル選びのポイントとしては、まず「法定速度内で走行できるか」を確認することが基本です。
次に、自分の体重や使用環境(平坦な道が多いか、坂道が多いかなど)を考慮し、適切なモーターパワーを選びましょう。
また、走行の安全性に直結するブレーキシステムも重要なチェックポイントです。
可能であれば、購入前に試乗して実際の加速感や安定性を体感することをお勧めします。
電動キックボードの速さを安全に、そして周囲に配慮しながら楽しむためには、適切な走行テクニックとマナーが欠かせません。
ここでは、実際に電動キックボードを利用している方々の経験から得られた、実践的なアドバイスをご紹介します。
速さをコントロールするための基本は、適切な乗車姿勢です。
両足をデッキに対して前後に配置し、膝を軽く曲げてローポジションを取ることで、重心を低くし安定性を高めます。
特に高速走行時は、上半身をやや前傾させるとさらに安定します。
加速時と減速時の体重移動も重要です。
加速する際は体重をやや後ろに、減速する際は体重をやや前に移動させることで、より安定した加減速が可能になります。
これは特に急な坂道や緊急時のブレーキング時に役立ちます。
安全に走行するためのコツとして、「2秒ルール」が有効です。
これは前方の固定物(電柱や標識など)を基準に、そこを先行する自転車や歩行者が通過してから自分が通過するまでに2秒以上の間隔を確保するというものです。
これにより、突然の停止や方向転換にも対応できる余裕を持てます。
また、「視線は進行方向の5〜10m先に」というテクニックも役立ちます。近くを見すぎると小さな操作ミスが生じやすく、遠くを見ることで安定した直進性を保てます。
カーブの際も、曲がりたい方向の先を見ることでスムーズなターンが可能になります。
速度を安全にコントロールするためには、効果的なブレーキングテクニックも重要です。
多くの電動キックボードは、電子ブレーキ(回生ブレーキ)と機械式ブレーキ(ディスクブレーキやドラムブレーキ)の両方を備えています。
通常の減速には、まず電子ブレーキを軽く作動させ、必要に応じて機械式ブレーキを併用するのが効果的です。
急ブレーキが必要な場合は、両方のブレーキを同時に、ただし急激ではなく徐々に強く作動させるのがコツです。
ブレーキング時は体重を少し後ろから前に移動させると、前輪のグリップが向上し、より効果的に減速できます。
また、長い下り坂では、断続的なブレーキングが効果的です。
一度に長時間ブレーキを作動させると、ブレーキシステムのオーバーヒートを招く恐れがあります。
代わりに、短く断続的にブレーキを作動させることで、熱の分散と適切な速度コントロールが可能になります。
速さを楽しむ上で最も重要なのが、周囲への配慮です。
特に以下のようなシーンでは速度を控えめにすることが大切です:
また、他の道路利用者からの視認性を高めるために、明るい色の服装や反射材の使用、ライトの点灯なども重要です。
特に高速で走行する場合は、周囲からの視認性が安全性に直結します。
音による合図も有効です。
ベルやホーンを装備している場合は、追い越し時や交差点進入時など、適切なタイミングで使用することで、周囲に自分の存在を知らせることができます。
ただし、過度な使用は避け、必要な場面で適切に使用しましょう。
最後に、急発進や急停止、蛇行運転などは避け、常に予測可能な走行を心がけることが大切です。電動キックボードはまだ新しいモビリティであり、社会的な認知と受容を高めるためにも、利用者一人ひとりのマナーが重要なのです。
電動キックボードの速さについて、法規制から実際の体感、安全な乗り方まで幅広く解説してきました。
最後に、あなたに最適な電動キックボード選びのポイントをまとめます。
速さの魅力は、移動の効率化と爽快感にあります。
しかし、最高速度だけで選ぶのではなく、自分の用途や環境、スキルレベルに合った適切な速度性能を持つモデルを選ぶことが大切です。
法令遵守の観点からは、公道走行を前提とするなら「特定小型原動機付自転車」として認定された、最高速度20km/h以下のモデルを選ぶことが基本です。
高性能モデルでも、公道では法定速度を守って走行することが必要です。
安全性の観点では、単に低速であれば良いわけではなく、安定したブレーキ性能や、速度に応じた操作性の良さも重要です。
特に初心者の方は、複数の速度モードを備え、徐々にスキルアップできるモデルを選ぶとよいでしょう。
実際の使用シーンを想像しながら選ぶことも大切です。
通勤や通学で毎日使うなら安定性と信頼性を、週末のレジャーとして使うなら爽快感を、それぞれ重視するとよいでしょう。
また、坂道の多い地域にお住まいなら、より強力なモーターパワーを持つモデルが適しています。
電動キックボードの速さの魅力を最大限に引き出すためには、適切な乗車テクニックと安全意識も不可欠です。
基本的な運転技術を習得し、周囲への配慮を忘れずに、責任ある走行を心がけましょう。
結局のところ、「最適な速さ」とは、安全に楽しく、そして実用的に使える速度のことです。
この記事が、あなたにとって最適な電動キックボード選びの一助となれば幸いです。快適なモビリティライフをお楽しみください。