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電動キックボード購入前に知っておきたい!安全に乗るための事故対策完全ガイド

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電動キックボードは環境にやさしく便利な新しいモビリティとして、近年急速に普及しています。

特に2023年7月の道路交通法改正により、一定の条件を満たす電動キックボードは「特定小型原動機付自転車」として16歳以上であれば免許不要で乗れるようになり、より多くの人が利用できるようになりました。

しかし、その手軽さゆえに事故も増加しているのが現状です。

警察庁の発表によると、特定小型原動機付自転車に関する規定施行後1年間(2023年7月〜2024年6月)で全国の事故発生件数は219件、負傷者数は226人にのぼりました。

さらに別のデータでは、2024年1月から6月までの半年間だけでも134件の事故が発生しています。

これらの事故の多くは都市部で発生しており、東京都だけで全体の約7割を占めています。

電動キックボードの魅力を安全に楽しむためには、事故の実態や安全な乗り方を知っておくことが重要です。

この記事では、電動キックボードの購入を検討している方向けに、事故の特徴や安全対策について詳しく解説します。

どんな事故が起きている?電動キックボード事故の特徴

電動キックボードの事故にはいくつかの特徴があります。その主な特徴を理解することで、どのような状況に注意すべきかが見えてきます。

1. 単独事故が多い

電動キックボードの事故データを見ると、他の車両との衝突だけでなく、単独事故も多く発生しています。

法改正直後の2023年7月〜12月の期間では、対四輪車の事故よりも単独事故の方が多かったというデータもあります。

これは、電動キックボードの車体特性に慣れていない利用者が多いことが要因の一つと考えられます。

電動キックボードは小さなタイヤを使用しているため、路面の凹凸や側溝のグレーチング、小石などの影響を受けやすく、簡単に転倒してしまうリスクがあります。

また、急なブレーキ操作や急カーブでのバランス崩しによる転倒も多く報告されています。

2. 頭部損傷のリスクが高い

JAF(日本自動車連盟)が実施した電動キックボードの衝突実験では、転倒時の頭部損傷の危険性が明らかになっています。

最高時速20km/hで縁石に衝突して転倒した際、ヘルメット未着用時の頭部損傷値(HIC値)は、着用時の6倍以上になるという結果が出ています。

この値は頭蓋骨骨折や脳損傷、死亡のリスクが高いレベルです。

特に二次衝突(電動キックボードから投げ出されて地面に頭を打ちつける状況)での頭部損傷値が極めて高く、ヘルメット着用の重要性を示しています。

3. 交通ルール違反による事故

電動キックボードの事故では、交通ルール違反が原因となるケースも少なくありません。

警察庁のデータによると、特定小型原動機付自転車の交通違反検挙件数は、施行後1年間で2万5千件以上に達しています。

主な違反としては、通行区分違反(右側走行など)が約55%、信号無視が約31%を占めています。

また、飲酒運転による事故も目立ちます。2024年上半期の事故134件のうち、23件(約17%)が飲酒運転によるものでした。

特に深夜から早朝にかけての時間帯に集中しており、帰宅時の代替交通手段として不適切に使用されているケースがあると考えられます。

電動キックボードの安全な選び方

電動キックボードを安全に乗るためには、まず適切な車両を選ぶことが重要です。

購入を検討する際のポイントを紹介します。

1. 特定小型原動機付自転車の条件を満たしているか確認

免許不要で乗るためには、以下の条件をすべて満たす「特定小型原動機付自転車」であることが必要です:

  • 車体の大きさが長さ190cm以下、幅60cm以下
  • 電動機の定格出力が0.6kW以下
  • 最高速度が20km/h以下
  • 最高速度表示灯(緑色で点灯または点滅するもの)が備えられていること

これらの条件を満たさない電動キックボードは、一般原動機付自転車または自動車に区分され、運転免許が必要になります。

インターネットなどで販売されている製品の中には、最高時速が20km/hを超えるものも多く、それらは免許が必要であることを理解しておきましょう。

2. 保安基準への適合性を確認

公道を走行するためには、道路運送車両の保安基準に適合していることが必要です。

性能等確認済シールや型式認定番号標が付いているものを選ぶと安心です。

以下のような装備が必要とされています:

  • ヘッドライト(前照灯)
  • テールランプ(尾灯)
  • ブレーキランプ
  • ウインカー(方向指示器)
  • リフレクター(反射器)
  • バックミラー
  • 警音器(クラクション)
  • ブレーキ装置

3. ブレーキ性能とタイヤの確認

安全性の観点から、前後両輪にブレーキが装備されているモデルが推奨されます。

特に前輪にディスクブレーキが付いているものは制動力が高く、緊急時に素早く停止できます。

また、タイヤのサイズや種類も重要です。一般的に、タイヤが大きいほど安定性が増します。

空気入りタイヤ(エアタイヤ)は振動吸収性に優れており、ノーパンクタイヤ(ソリッドタイヤ)はメンテナンスの手間が少ないという特徴があります。

路面状況に応じて選ぶとよいでしょう。

4. バッテリー性能と航続距離の確認

バッテリー切れで途中で止まってしまうと、夜間など危険な状況に陥る可能性があります。使用する距離や用途に合わせて、十分な航続距離を持つモデルを選びましょう。

また、バッテリーの取り外しが可能なモデルであれば、予備バッテリーを持ち運ぶことも検討できます。

事故を防ぐための安全装備と乗り方

電動キックボードの事故を防ぐためには、適切な安全装備と正しい乗り方が不可欠です。

1. ヘルメットは必ず着用する

特定小型原動機付自転車のヘルメット着用は法律上「努力義務」とされていますが、安全のためには必ず着用するべきです。

JAFの実験結果からも明らかなように、ヘルメット着用の有無で事故時の頭部損傷リスクは大きく変わります。

選ぶヘルメットは、SGマークなどの安全規格に適合したものを選びましょう。

自転車用ヘルメット、スケートボード用ヘルメット、バイク用ジェットヘルメットなど、様々なタイプがあります。

視認性を確保しながら頭部をしっかり保護できるものを選ぶことが重要です。

2. 防護具を身につける

ヘルメットに加えて、肘や膝のプロテクター、手袋なども着用すると安心です。

転倒時に擦り傷や骨折などのケガを防ぐのに役立ちます。

特に初心者や長距離を走行する場合は、これらの防護具を積極的に活用しましょう。

3. 視認性を高める工夫

夜間や悪天候時の事故を防ぐためには、自分の存在を他の交通参加者に知らせることが重要です。

反射材付きの衣服やベスト、ライト類を活用して視認性を高めましょう。

電動キックボード本体の前後にも反射材を追加すると効果的です。

4. 安全な乗り方のポイント

  • 事前に練習する: 初めて乗る場合は、人通りの少ない広い場所で基本操作を練習しましょう。
  • 適切な速度で走行する: 状況に応じた安全な速度を保ちましょう。特に歩行者が多い場所や視界が悪い場所では、速度を落として慎重に運転しましょう。
  • 両手でハンドルを握る: スマートフォン操作や片手運転は危険です。必ず両手でハンドルを握りましょう。
  • 急ブレーキを避ける: 急ブレーキは転倒の原因になります。前方をよく見て、余裕を持った運転を心がけましょう。
  • 路面状況に注意する: 凹凸、砂利、水たまり、段差などに注意しましょう。特に雨の日は滑りやすくなるので、より慎重に運転する必要があります。

公道走行に必要な手続きと守るべきルール

電動キックボードを公道で走行するためには、いくつかの手続きが必要です。

また、交通ルールを守ることも重要です。

1. 必要な手続き

  • 自賠責保険への加入: 公道を走行するすべての自動車やバイク、電動キックボードには自賠責保険の加入が義務付けられています。
  • ナンバープレートの取得: 特定小型原動機付自転車の所有者は、市区町村役場で軽自動車税の申告を行い、ナンバープレートを取得する必要があります。
  • 車検は不要: 特定小型原動機付自転車は車検の対象外です。ただし、定期的なメンテナンスは安全のために行いましょう。

2. 守るべき交通ルール

  • 年齢制限: 特定小型原動機付自転車は16歳以上でなければ運転できません。16歳未満の方に貸し出すことも禁止されています。
  • 走行場所: 基本的に車道の左側を走行します。自転車道がある場合はそちらを通行できます。歩道は原則として通行禁止ですが、特定の条件を満たす「特例特定小型原動機付自転車」は、「普通自転車等及び歩行者等専用」の標識がある歩道のみ通行できます。その場合も、最高速度6km/h以下で走行する必要があります。
  • 飲酒運転の禁止: 飲酒後の運転は絶対に避けましょう。検挙されると罰則があるだけでなく、事故のリスクも大幅に高まります。
  • 二人乗りの禁止: 電動キックボードの二人乗りは禁止されています。事故発生時には同乗者にも責任が及ぶケースがあります。
  • 信号と標識の遵守: 信号無視や一時停止違反は、事故の大きな原因となります。必ず交通ルールを守りましょう。

事故発生時の対応方法

万が一事故が発生した場合は、冷静に適切な対応を取ることが重要です。

1. 負傷者の救護

まず、自分や相手にケガがないか確認し、必要に応じて救急車(119番)を呼びましょう。軽微なケガでも、後から症状が悪化することがあるので、医師の診察を受けることをおすすめします。

2. 警察への連絡

人身事故の場合は必ず警察(110番)に連絡する義務があります。物損事故でも、後のトラブル防止のためにも警察に届け出ることをおすすめします。

3. 相手の情報確認

相手がいる場合は、氏名・連絡先・車両ナンバー・保険会社などの情報を交換しましょう。可能であれば、事故現場の写真も撮っておくと、後の状況説明に役立ちます。

4. 保険会社への連絡

加入している保険会社に事故の発生を連絡しましょう。

自賠責保険だけでなく、任意保険に加入している場合は、そちらにも連絡が必要です。

5. 専門家への相談

事故の状況によっては、弁護士などの専門家に相談することも検討しましょう。特に責任の所在が不明確な場合や、重大な事故の場合は専門的なアドバイスが必要になることがあります。

安心して乗るための保険選び

電動キックボードの事故では、自分がケガをするだけでなく、相手にケガをさせたり、物を壊したりする可能性もあります。

適切な保険に加入することで、万が一の際の経済的負担を軽減できます。

1. 自賠責保険(強制保険)

自賠責保険は、公道を走行するすべての車両に加入が義務付けられている強制保険です。ただし、補償の範囲は対人賠償のみで、限度額も決まっています。

大きな事故では補償が不足する可能性があります。

2. 任意保険

自賠責保険の補償を超える部分をカバーするために、任意保険への加入も検討しましょう。以下のような補償が含まれる保険があります:

  • 対人賠償(相手のケガや死亡に対する補償)
  • 対物賠償(相手の車や物への損害に対する補償)
  • 搭乗者傷害(自分のケガに対する補償)
  • 車両保険(電動キックボード自体の損害に対する補償)

3. 個人賠償責任保険

すでに加入している火災保険や自動車保険、クレジットカードに付帯している個人賠償責任保険が、電動キックボードの事故もカバーしている場合があります。

加入している保険の補償内容を確認しておきましょう。

まとめ:安全に楽しむための心構え

電動キックボードは環境にやさしく便利な移動手段ですが、安全に利用するためには正しい知識と心構えが必要です。

事故データが示すように、交通ルールの無視や安全装備の不足は重大な事故につながる可能性があります。

特に、ヘルメットの着用は生死を分ける重要な要素です。

法律上は努力義務であっても、自分の命を守るためには必須と考えるべきでしょう。

また、飲酒運転や二人乗り、スマートフォン操作などの危険行為は絶対に避けましょう。

正しい知識を身につけ、安全装備を整え、交通ルールを守ることで、電動キックボードの魅力を最大限に楽しむことができます。

この記事を参考に、安全で快適な電動キックボードライフをスタートさせてください。

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