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特定小型原付の規格徹底解説!失敗しない選び方のコツ

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特定小型原付(正式名称:特定小型原動機付自転車)は、2023年7月に施行された改正道路交通法によって新設された乗り物カテゴリーです。

電動キックボードやセグウェイなど、これまでグレーゾーンだった電動モビリティが、この規格によって公道を走行できるようになりました。

特定小型原付の定義や基本規格を正しく理解することは、適切な製品選びの第一歩となります。

特定小型原付の基本的な規格要件は、「最高速度が20km/h未満であること」「車体の大きさが長さ190cm以下、幅60cm以下であること」「原動機の定格出力が0.6kW以下であること」などが定められています。

この規格を満たすことで、自転車と同様に車道や自転車通行可の歩道を走行でき、さらに16歳以上なら免許不要、ヘルメット着用も努力義務となるなど、規制が大幅に緩和されています。

特定小型原付として認められるためには、国の型式認定やPSCマーク(電気用品安全法の基準を満たす証明)を取得していることも重要です。

認定を受けていない製品は、見た目が似ていても法律上は異なる扱いとなり、無免許運転などのリスクがあるため注意が必要です。

法律で定められた規格要件:購入前に確認すべき8つのポイント

特定小型原付として認められるためには、様々な法的規格要件を満たす必要があります。

購入前に確認すべき重要なポイントを解説します。

1. 速度制限:20km/h未満は絶対条件

特定小型原付の最も重要な規格は「最高速度が20km/h未満」という点です。この「未満」という表現に注意が必要で、20km/hちょうどでは条件を満たしません。

そのため、多くのメーカーは19km/hや19.9km/hに最高速度を設定しています。

この速度制限は、安全性を確保するために定められたものです。

20km/h以上の速度が出せるモデルは「第一種原動機付自転車(原付)」として扱われ、原付免許以上の免許が必要となり、ヘルメット着用も義務化されます。

一部の製品には「スピードリミッター」と呼ばれる速度制限機能が搭載されており、これによって法定速度内に抑えられています。

この機能が解除できる設計の製品も存在しますが、速度制限を解除して公道走行すると違法となるため、絶対に行わないようにしましょう。

2. サイズ規格:長さ190cm以下、幅60cm以下の制限

特定小型原付のサイズには、「長さ190cm以下、幅60cm以下」という制限があります。ただし、高さに関する制限はありません。

この規格は自転車通行可の歩道での走行を考慮して設定されています。

サイズ規格を超えるモデルは特定小型原付として認められないため、特にセグウェイタイプや三輪・四輪タイプの製品を選ぶ際は注意が必要です。

一般的な電動キックボードタイプであれば、ほとんどの製品がこのサイズ規格を満たしています。

折りたたみ機能を持つモデルの場合、走行時のサイズが規格内に収まっていれば問題ありません。

折りたたんだ状態のコンパクトさは法律上の要件ではありませんが、保管や持ち運びの利便性に直結するため、購入時の重要な検討ポイントとなります。

3. モーター出力:0.6kW以下という上限

特定小型原付のモーター出力は「0.6kW(600W)以下」と定められています。

この出力制限は安全性と速度制限に関連しており、高出力のモーターを搭載すると20km/h以上の速度が出せてしまうためです。

一般的な特定小型原付のモーター出力は250W〜500W程度で、この範囲であれば十分に実用的な走行が可能です。

ただし、体重の重い方や坂道の多い地域で使用する場合は、より出力の高いモデル(400W〜600W)を選ぶと安心です。

モーター出力はカタログに「定格出力」または「最大出力」として記載されていますが、法律上は「定格出力」が0.6kW以下であることが求められます。

「最大出力」はピーク時の一時的な出力を示すため、定格出力より大きい値となります。

法規制を確認する際は必ず「定格出力」の値を確認しましょう。

4. ブレーキシステム:前後輪の制動装置は必須

特定小型原付には、前輪と後輪の両方に制動装置(ブレーキ)を備えることが法律で義務付けられています。

これは安全に停止するための重要な要件です。

ブレーキシステムには主に以下のタイプがあります:

  • ディスクブレーキ:制動力が高く、雨天時でも安定した性能を発揮
  • ドラムブレーキ:メンテナンス性に優れているが、ディスクブレーキより制動力はやや劣る
  • 電子ブレーキ(回生ブレーキ):モーターの抵抗を利用したブレーキで、バッテリー回生効果もある
  • フットブレーキ:後輪に足で踏む機構のブレーキ(主に補助的に使用)

安全性を重視するなら、前後輪ともにディスクブレーキを搭載したモデルがおすすめです。

また、電子ブレーキと物理ブレーキの両方を備えたモデルは、一方が故障した場合のバックアップとしても安心です。

5. ライト・反射材:夜間走行に必要な可視性確保

特定小型原付には、夜間走行時の視認性を確保するため、前照灯(ヘッドライト)と尾灯(テールライト)の装備が義務付けられています。

また、反射材(リフレクター)も前後に装備する必要があります。

良質な特定小型原付には、以下のような照明装備が搭載されています:

  • 高輝度LEDヘッドライト:前方の路面を明るく照らし、夜間の安全走行をサポート
  • テールライト:後方からの視認性を高め、夜間や薄暮時の事故防止に貢献
  • ブレーキランプ機能:制動時に明るく点灯し、後続車両に減速を知らせる
  • 反射材:車のヘッドライトの光を反射し、電源がなくても視認性を確保

これらの装備が不十分な製品は法律に適合しておらず、夜間走行時の安全性にも問題があるため、購入は避けるべきです。

6. 警音器:安全のための必須装備

特定小型原付には警音器(ベルやホーン)の装備も義務付けられています。

これは歩行者や他の車両に自分の存在を知らせるための重要な安全装備です。

警音器の音量は「警笛」と呼ばれるものほど大きくなくても構いませんが、周囲に適切に認識される程度の音量が必要です。

操作のしやすさも重要なポイントで、走行中に片手で簡単に操作できる位置に取り付けられているかを確認しましょう。

ただし、警音器の使用は緊急時や危険回避のために限定し、不必要に使用すると騒音となり周囲の迷惑になるため注意が必要です。

7. PSCマーク:電気安全性の証明

特定小型原付に搭載されるバッテリーやモーター、充電器などの電気部品は、電気用品安全法(PSE法)に適合している必要があります。

適合製品には「PSCマーク」が表示されています。

このマークは製品の電気安全性が確認されたことを示す重要な証明です。

PSCマークのない製品は、発火や感電などの安全上のリスクがある可能性があります。

また、法律上も特定小型原付として認められない場合があります。

輸入品や並行輸入品を購入する際は特に注意が必要で、日本の安全基準に適合しているかを必ず確認しましょう。

8. 型式認定:公道走行のための公的認証

特定小型原付として公道を走行するためには、国土交通省による型式認定を受けている必要があります。

認定を受けた製品には「型式認定番号」が付与され、製品に表示されています。

型式認定を受けていない製品は、見た目が似ていても法律上は特定小型原付ではなく、公道走行すると無免許運転などの違法行為となる可能性があります。

購入前に必ず型式認定を受けているかを確認しましょう。

型式認定を受けた製品であることを確認する簡単な方法は、国土交通省のウェブサイトで公開されている認定リストを確認するか、製品の表示や説明書で型式認定番号を確認することです。

電動アシスト自転車との規格比較:どちらが自分に合う?

特定小型原付と電動アシスト自転車は、どちらも環境に優しいパーソナルモビリティですが、規格や法的位置づけに大きな違いがあります。

両者を比較して、自分のライフスタイルに合った選択をするためのポイントを解説します。

法的位置づけの違い:適用される規制の差

特定小型原付と電動アシスト自転車は、法律上の位置づけが異なります:

特定小型原付

  • 道路交通法上は「原動機付自転車」の一種
  • 自転車通行可の歩道も走行可能という特例あり
  • 16歳以上から乗車可能
  • ヘルメット着用は努力義務
  • ナンバープレート不要
  • 自賠責保険の加入義務なし

電動アシスト自転車

  • 道路交通法上は「自転車」として扱われる
  • 自転車通行可の歩道や自転車専用道路を走行可能
  • 年齢制限なし
  • ヘルメット着用の義務・努力義務なし(13歳未満は保護者に着用させる義務あり)
  • ナンバープレート不要
  • 保険加入義務なし(自治体によっては条例で定められている場合あり)

電動アシスト自転車は純粋に「自転車」として扱われるため、より広範囲を走行でき、年齢制限もないというメリットがあります。

一方、特定小型原付はペダルをこがずに走行できる手軽さが魅力です。

アシスト比率と速度制限:動力性能の違い

両者は動力の使い方や速度制限にも違いがあります:

特定小型原付

  • アクセル操作だけで20km/h未満まで加速可能
  • 人力を使わずに完全に電動で走行
  • 速度は常に20km/h未満に制限

電動アシスト自転車

  • ペダルをこぐ力に対して最大2倍までアシスト
  • 10km/h未満で最大2倍、10〜24km/hでは徐々にアシスト率が下がる
  • 24km/h以上ではアシストが効かなくなるが、人力のみでそれ以上の速度も可能

電動アシスト自転車は人力とモーターの組み合わせという点で、より「自転車」に近い乗り物です。

一方、特定小型原付はアクセル操作だけで走行できるため、体力に自信のない方や汗をかきたくない方にとっては魅力的な選択肢となります。

バッテリー規格とモーター出力:性能の違い

バッテリーとモーター出力にも規格の違いがあります:

特定小型原付

  • モーター出力:0.6kW(600W)以下
  • バッテリー容量:特に規制なし(一般的には150〜600Wh程度)
  • 航続距離:一般的に15〜40km程度

電動アシスト自転車

  • モーター出力:0.6kW(600W)以下
  • バッテリー容量:特に規制なし(一般的には300〜500Wh程度)
  • 航続距離:一般的に30〜70km程度

モーター出力の上限は同じですが、電動アシスト自転車は人力も加わるため、特に坂道などでは実質的なパワーが大きくなります。

また、ペダルをこぐことでバッテリー消費を抑えられるため、同じバッテリー容量でも航続距離が長い傾向にあります。

特定小型原付選びで注目すべき追加スペック:規格外の重要ポイント

法律で定められた基本規格以外にも、特定小型原付を選ぶ際には注目すべき重要なスペックがあります。

これらは快適性や安全性、実用性に直結する要素です。

重量と折りたたみ性能:持ち運びやすさの決め手

特定小型原付の重量と折りたたみ性能は、日常的な使いやすさに大きく影響します:

重量

  • 軽量タイプ(8〜12kg):電車やバスに持ち込みやすく、階段の上り下りも比較的楽
  • 標準タイプ(13〜18kg):安定性と持ち運びやすさのバランスが取れている
  • 重量タイプ(19kg以上):安定性や航続距離に優れるが、持ち運びには不向き

折りたたみ性能

  • コンパクト度:折りたたんだ時のサイズが小さいほど保管や持ち運びに便利
  • 折りたたみ速度:ワンタッチで折りたためるモデルは通勤・通学に適している
  • 折りたたみ時の自立性:自立するモデルは一時的な駐輪がしやすい

電車やバスとの併用を考えている場合は、15kg以下の軽量モデルで、折りたたみ時にコンパクトになるものがおすすめです。

また、折りたたみ機構の堅牢性も重要で、長期使用を考えると簡素でシンプルな機構の方が耐久性が高い傾向にあります。

バッテリーの取り外し:充電の利便性と航続距離の拡張

バッテリーが取り外し可能かどうかも重要な検討ポイントです:

取り外し可能バッテリーのメリット

  • 自宅やオフィスなど車体から離れた場所で充電可能
  • 予備バッテリーを持ち歩けば航続距離を延長できる
  • バッテリーのみの交換が可能で、長期的なコスト削減に

固定式バッテリーのメリット

  • 防水性能や耐久性に優れていることが多い
  • デザイン性が高く、すっきりとした外観になりやすい

バッテリーの交換が可能なモデルは長期使用を考える上で大きなメリットがありますが、交換用バッテリーは2〜5万円程度と高価なため、初期費用に余裕がある場合の選択肢となります。

防水性能:雨天走行の可否を決める重要指標

特定小型原付を実用的に使うには、防水性能も重要な要素です。

防水性能は一般的にIPコード(International Protection)で表され、「IPX4」のような形式で記載されます。

  • IPX4:生活防水レベル。小雨程度なら走行可能
  • IPX5〜6:防水レベル。豪雨でなければ走行可能
  • IPX7〜8:完全防水レベル。どんな雨でも安心

日常的に雨天走行を考えている場合は、最低でもIPX5以上の防水性能を持つモデルを選ぶことをおすすめします。

特にバッテリー部分やモーターコントローラーの防水性能が重要です。

防水性能が低いモデルでも、アフターパーツとして防水カバーなどを使用することで対応可能な場合もありますが、根本的な解決にはならないことを念頭に置いておきましょう。

失敗しない特定小型原付の選び方:用途別おすすめ規格

最後に、用途別に最適な特定小型原付の規格をまとめます。

自分の主な使用目的に合った製品選びのヒントにしてください。

通勤・通学向け:毎日の使用に耐える堅牢性

通勤・通学で毎日使用するなら、信頼性と使いやすさが重要です:

おすすめ規格

  • 重量:15kg以下(電車併用の場合は12kg以下が理想)
  • モーター出力:350W以上(坂道がある場合は400W以上)
  • バッテリー容量:300Wh以上(往復の通勤距離の2倍以上をカバーできる容量)
  • タイヤサイズ:8インチ以上(路面の凹凸に対する乗り心地向上)
  • 防水性能:IPX5以上(雨天通勤にも対応)
  • 折りたたみ:ワンタッチ式(駅や職場での素早い折りたたみに便利)

通勤・通学では毎日使うことになるため、耐久性や信頼性の高いブランドの製品を選ぶことも重要です。

また、メンテナンス体制が整っているメーカーを選ぶと、長期使用時のトラブルにも安心です。

レジャー向け:快適性と安全性を重視

週末のレジャーや観光で使用するなら、乗り心地の良さや走破性が重要です:

おすすめ規格

  • モーター出力:500W前後(様々な地形に対応できるパワー)
  • バッテリー容量:400Wh以上(一日中の使用に耐える容量)
  • タイヤサイズ:10インチ以上(安定した乗り心地)
  • サスペンション:前後サスペンション搭載(路面の衝撃を吸収)
  • ブレーキ:油圧ディスクブレーキ(高い制動力と安全性)
  • シート:座席付きモデル(長時間の利用でも疲れにくい)

レジャー用途では、積載能力も重要なポイントです。

前かごやリアキャリアの取り付けが可能なモデルだと、荷物の運搬も容易になります。

ラストワンマイル向け:コンパクトさを最優先

駅から目的地までの「ラストワンマイル」移動なら、持ち運びやすさが最重要です:

おすすめ規格

  • 重量:12kg以下(軽量であることが最優先)
  • 折りたたみサイズ:極小コンパクト(電車内や目的地での保管スペースを最小限に)
  • モーター出力:250W程度(短距離なら十分なパワー)
  • バッテリー容量:150〜250Wh(軽量化と短距離利用のバランス)
  • タイヤサイズ:5〜8インチ(コンパクト性と走行性のバランス)

ラストワンマイル利用では、折りたたみ時に自立するモデルや、キャリーバッグのように引いて移動できるモデルも便利です。

また、バッテリー残量計や走行距離計などの機能は最低限でシンプルなモデルの方が軽量でコンパクトになる傾向があります。

規格を理解して最適な選択を

特定小型原付の規格には、法律で定められた基本的な規格要件と、実用性や快適性に関わる追加スペックがあります。

これらを総合的に理解し、自分の使用環境や目的に合った製品を選ぶことが、後悔のない購入につながります。

基本規格を満たしていることは最低条件ですが、それだけでなく、重量や折りたたみ性能、防水性能などの実用的なスペックも重視して選ぶことをおすすめします。

また、メーカーのサポート体制や保証期間も長期使用を考える上では重要なポイントです。

電動アシスト自転車との比較では、特定小型原付はペダルをこがずに移動できる手軽さが魅力ですが、一方で電動アシスト自転車は航続距離が長く、坂道性能に優れているという特徴があります。

どちらを選ぶかは、自分のライフスタイルや利用シーンによって判断するとよいでしょう。

最終的には、実際に試乗してみることが最も確かな判断材料となります。

可能であれば、実際の使用環境に近い条件で試乗し、乗り心地や操作感を確かめた上で購入を決めることをおすすめします。

特定小型原付も電動アシスト自転車も、環境に優しく、便利な新しいモビリティです。

あなたに最適な一台を見つけて、快適なモビリティライフを始めてください。

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